森下明音
1988年 鳥取県生まれ
2014年 京都市立芸術大学大学院 美術研究科絵画専攻油画 修了
2018年 大分県に移住
絵の具や筆を使って、絵を描くという行為は、描き手の意図であると同時に、無意識や、コ
ントロールしきれず「そうなってしまった」が含まれる。けれど、全ては色と筆致にすぎな
い。そういった意味で、どこまでが意図的であるかを言い切ることはできない。ただ、画面
上で起きている現象に対して、向き合い、完成だと決めた事実が残る。絵とは、言語化しき
れない、厄介で繊細な問題を含んでいる。それは、時代の変化や、機械化が進もうとも、消
失するテーマではないように思う。それゆえに、魅力的なんだと感じている。
(ステートメント)
絵を描くことで、自身の意識下のことばが現れてくる。それは、この世界を感じようとす
るアプローチである。色、質感、構図、形。これらの要素により、自身の知覚している世界
を記録する。それが、私がこの世界に関与することができる方法の一つであり、誰かに響く
ことがある、ということが面白い。言葉を交わさなくても、じっとお互いを感じあうことで
、私はこの世界に一人ではないことを感じることができる。そのような、美しい時間に対す
る称賛を込めて。
2023